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ちょっとしたこと。
今、兄貴と一緒に風呂に入ってきた。
兄貴と一緒に入るの、久しぶりな気がするな。サヴェッラでも、ここのところ兄貴は忙しくて、一緒に入れなかったし。
別に、オレが入りたくて入ったわけじゃない。
たまにはお背中でも流しましょうかって聞いたら、じゃあ一緒に入ろうって兄貴が言うから…… それで。
ただ、背中流してあげるついでだ。
別に何て言うことないし、格別嬉しいとかいうわけでもないし。
でも、うん。
兄貴が髪を洗ってくれたの、嬉しかった、かな。
そんなこと兄貴にしてもらうなんて、申し訳ないって言ったのに…… 兄貴、構わないって。
オレの髪が綺麗だから、触りたいだけだ、って。
兄貴は、オレの髪が好きだよね。
よく、綺麗だって言ってくれるもんね。
オレも、兄貴に髪撫でてもらったり、洗ってもらったりするのは…… まぁ、うん。
嫌いじゃ、ないよ。
ちょっと恥ずかしいけど、でも。
兄貴と一緒に、久しぶりに風呂に入れて…… うん。
嬉しかった。
兄貴は今、ソファーでお酒飲みながら寛いでる。
オレもどうだって誘われたけど、やめておいた。
酒は飲みたい気もするけど、酷く酔ったりすると困るから、最近は自重してる。
でも、お酌くらいはしてあげようかな。
待ってて、兄貴。
これ置いたら、今行きます。
2009-10-14 23:53
兄貴が忙しい。
兄貴は、今日も忙しい。
オレもオレで用事はあったけど、ほとんど兄貴と別行動で、晩餐の席くらいしか兄貴に会えなかった。
まぁ、サヴェッラにいれば…… これくらい、当たり前のことで。
大聖堂に降りてったきり、夜になっても戻って来ないことだってあるし。
それにくらべたら、ここなら部屋も一緒だし、一緒に食事も出来るし、兄貴と一緒に居られてることにはなるんだろう。
だけど、せっかくトロデーンまで来たのに。
大事な仕事で来てるのは、わかってる。でもさ、兄貴。
少しくらい、オレとゆっくり話したりしても、いいんじゃないの?
もちろん、そんなこと口には出せないけど。
オレは法王様の弟君。だから、大人しくしてるんだ。
兄貴のやることに、文句なんか言わない。
もっと構って、なんて…… そんなの言えるはずもない。
だから、我慢だ。
我慢。
サヴェッラで忙しい時の兄貴よりは、マシなんだから。
明日あたり、ゼシカ達来るのかな。
今日もちょっとソアに会う機会があったけど、あんまり話は出来なかった。
でも、ソアのことは、周りのヤツから色々と聞けたよ。
アイツ、頑張ってるみたいだな。
近衛連隊長なんて、アイツに勤まるのかなって心配だったけど…… いつの間にか、すっかりそれっぽくなってるし。
それに、ソアのヤツ、背伸びたか?
前も伸びたかなって思ったけど、また少し伸びたような気がする。
オレと並んだら、もうあんまり違いがないんじゃないかな。
今度、もっとゆっくり話す機会があれば…… ちょっと、比べてみよう。
アイツ、ホント頼もしくなった。
勇者様らしくなった、って言うのかな。
勇者になんてなりたくないよって、手紙に書いてあったこともあったけど……
その辺、吹っ切れたんだろうか。
押しつけられたイメージに、自分を当てはめていくのって、大変だ。
オレも、よくわかる。
オレだって、法王様の弟君なんて嫌だって、思った時期もあったもんな。
だから、ソアが大変だったのも…… よく、わかる。
でも、オレも吹っ切れた。
アイツも、きっと、吹っ切ったんだろうな。
じゃなきゃ、あんな凛々しい顔付きで笑ったり出来ないさ。
ホントに、なかなかオトコマエになってきたよ、アイツ。
2009-10-12 23:28
アイツが来た。
今日は、最悪の日だった。
だけど同時に、アイツにとっても最悪の日だったに違いない。
アイツってのは誰かと言えば、当然、チャゴスのことだ。
最悪の日だったけど、ちょっと面白い日でもあったな。うん、笑えた笑えた。
今日は、サザンビークのクラビウス王がトロデーンにやって来た。
オレの悪い予感通り、チャゴスのヤツも一緒だ。
ミーティア姫とチャゴスの縁談はお流れになったとはいえ、トロデーンとサザンビークが大事な同盟国であることは変わりない。
むしろ、縁談がご破算なんてちょっと気まずいことがあったんだから、これまで以上に仲良くしておかなきゃいけない。仲直り的な意味も含め。
そういうわけで、法王マルチェロ様を間に立てるような感じで、トロデ王とクラビウス王が交流することになったわけだ。
まさか、兄貴が仲介役なんてするようになるとはね。
あの、王族とか権力者大嫌いだった兄貴が。
それもこれも、昔の話か。
今や、法王マルチェロ様は、世界の王たちを統べるお方…… ちょっとは寛大な気持ちになろうってもんだ。
実際、法王になった兄貴は、少し丸くなった。
ゴルドの就任式であんな過激な演説した割には、兄貴は本当によく世界のことを考えている。
兄貴が世界の王や領主たちを監視しているおかげで、一部の暴君に苦しめられていた領民達は、随分救われたそうだ。
人間、変わろうと思えば、変われるものなのか。
警護役は、たまにこんなお世辞を言う。
マルチェロ様が寛大な気持ちでいられるのは、弟君がマルチェロ様のお側にいらっしゃるからですよ、と。
まったく、お世辞もいいところだ。
オレは、別に何もしてない。ただ、兄貴の身の回りのお世話をちょっとしてるだけで。
でも…… 確かに、兄貴は丸くなった。
そのおかげで、今こうして、トロデーンの王とサザンビークの王がまた仲良くすることが出来る。
兄貴がその間に立って、手を握らせているから。
うん。
そんな兄貴も、悪くないと思うな。オレは。
で、そうそう、チャゴスだな。
アイツ、やっぱりちょっと居心地悪そうな感じで来たな。縁談を断られた相手の国へ来るんだから、当然だろうけど。
ミーティア姫と挨拶してる時も、精一杯かっこつけてたけど、内心ビクビクしてるのがバレバレだった。
オレと挨拶した時も、またビクビクしてやがったし。
その後ソアと挨拶した時なんか、あからさまに「ギク~!」って顔してたな。
何しろ、あのインチキ試練の儀式に付き合ってやったヤツが、トロデーンの近衛連隊長なんかやってるんだから。
一応体裁は取り繕ってたのは、さすが王子ってところかね。
それでも、見てる方は可笑しくて可笑しくてしょうがなかった。笑い堪えるのに必死だったよ。
ソアを見れば、ソアも心なしかぷるぷるしてる。
オレの方をチラと見て、一瞬可笑しくてしょうがないって顔をした。そうだろうなぁ。
ゼシカやヤンガスに、あのチャゴスを見せてやれないのが残念だ。
今度二人が来たら、ぜひ対面させてやって欲しいね。
その時は、ぜひオレを呼んで欲しいな。
今日は色々あったけど、退屈しない日だった。
兄貴も疲れただろうな。毎日、休む間もないくらい公務だし。
今、兄貴は風呂に入ってる。
出てきたら、ちょっとマッサージでもしてあげようかな。きっと、肩こっただろうから。
何か、トロデーンに来てから、兄貴と一緒の時間が少ない。
兄貴は夜まで王族や貴族達と付き合いがあるし、なかなかオレと一緒にいられないみたいだ。
それはまぁ、仕事だし。仕方ないけど……
でも、ちょっと、淋しい。
一日くらい、兄貴と二人っきりになれないのかな。兄貴だって、きっと疲れてるよ。
一日くらいお休みがあったって、いいのにな。
ねぇ、兄貴。
ここのベッド、何か慣れなくて寝にくいしさ…… たまには、一緒に寝たっていいよ、オレ。
2009-10-04 23:27
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